BIMとは?2次元CADとの違いやメリット・デメリットについて

近年、電気・空調・衛生などの建築設備設計の現場への導入が増えているのが「BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)です。
建築設備の製図作成のサポート機能以外にも、各パーツや要素に情報を付加することでプロジェクト全体の管理を円滑化できるのが特徴です。BIMの特徴や従来のCADとの違い、メリット・デメリットについてまとめました。

BIMとは?

Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)を略して「BIM」といいます。設備設計や機械設計、建築設計の効率化などのソリューションが期待されており、日本建築士事務所協会連合会が2019年9月に発表した「建築士事務所のBIMとIT活用実態にかかわる調査」によると会員の30%が導入するなど、各業界で着々と普及しつつあります。

BIMモデルは形状情報と属性情報からなる「オブジェクト」を組み合わせて作成します。例えば、設備設計におけるオブジェクトには空調・衛生・電気の機器やダクト、配管、配線などがあり、それぞれに品番やメーカー、価格などの情報を付加できます。1つのモデルにプロジェクトに関わる情報を集約できるので、設計はもちろん、施工、維持管理まで幅広く活用できます。また、各オブジェクトから平面図や立体図などを切り出して作成することも可能です。

出典:日本建築士事務所協会連合会「建築士事務所のBIMとIT活用実態にかかわる調査」

2D CADとの違い

従来のCADは2次元の平面で製図していました。CADで3次元モデルを作成する場合も、最初に2次元の図面を作ってから3次元モデルを構築するのが一般的で「修正や制作に時間がかかる」、「設計者の技術に依存し、属人的になりやすい」という課題を抱えていました。

一方、BIMは最初から3Dのオブジェクトを組み合わせて作成することが、従来のCADとの大きな違いです。従来の3次元モデルは「骨格から作成して肉付けする」のに対し、BIMは「直接、3次元の各パーツを組み合わせられる」と理解してください。さらに3次元モデルから2次元の平面図などを生成できることから、従来の逆のワークフローが可能です。

BIMを導入するメリット・デメリット

これからの建築設備設計において主流になる可能性が高いBIMには、メリットとデメリットが存在します。BIMの技術習得や導入を検討する際は、それらを知っておかなければなりません。
設備設計におけるそれぞれを以下でまとめたので確認してください。

■設備設計のBIMのメリット

  • 詳細で精度の高い見積書を作成できる
  • 各部材の干渉チェックの簡易化
  • 構造フレームとの干渉を事前に回避できる
  • 耐震基準に適した吊り金物などのオブジェクトを自動生成可能
  • 図面と3次元モデルの整合性の調整が容易
  • 知識がない人にもイメージを共有しやすい
  • ワークフローの一元化

    ■設備設計のBIMのデメリット

    • 導入のハードルが高い
    • BIMモデルの著作権や責任の所在があいまい
    • BIM専任スタッフの教育、採用が必要

      BIMを活用できれば、ミス軽減、コスト削減、売上拡大、効率の向上というメリットを得られます。
      その一方、専用パソコンや人材、イニシャルコストが大きいというデメリットや注意点も大きいので、BIMを導入する際は、BIMそのものはもちろん、導入後を想定した人員配置や組織体制、予算組みなどを行う必要があります。

      BIMについて知識を深めよう

      しばしば、従来の3次元モデルと混同されることがあるBIMの基本的な情報について解説しました。これまでの建築3Dとは、仕組みそのものが異なることを理解いただけたでしょうか。メリット・デメリットが存在するBIMですが、各業界で導入する企業が増加しており、今後はさらに普及可能性が高いです。そのため、建築設備設計に関わる人は早めにBIMについてアンテナを張って、情報収集しておくことをおすすめします。