建設業界のテレワークは無理?課題と事例からみる導入にむけて行う準備とは

2020年に流行した新型コロナウイルス感染症の影響を受け、多くの企業が「テレワーク」を導入しました。 建設業界も例外ではありませんが、導入から1年以上経過した現在、テレワークに対して方針を転換する企業も現れています。今回は、建設業界とテレワークをめぐる動向と実現するためのポイントについて解説します。

建設業界はテレワークができないといわれる理由

テレワークは業種や業態によって、向き・不向きがあるとされていまが、一般的に建設業界はテレワークとは相性が悪い業界と考えられることが多いです。実際、2020年11月に東京商工リサーチが発表した「テレワークの実施状況に関するアンケート」の結果にも、テレワークの運用に苦労した建設関係の企業の多さが顕著に現れています。

■テレワーク実施率の変化

業種 前回調査(2020/5~6) 今回調査(2020/9~10) 増減(ポイント) 
全体 67.30% 53.10% ▲14.2
製造業 70.70% 56.10% ▲14.6
建設業 61.90% 41.00% ▲20.9
卸売業 67.70% 54.30% ▲13.4
小売業 44.40% 44.40% ±0
サービス業 68.40% 55.60% ▲12.8

実施率は最も低く、前回調査から20.9ポイントの下げ幅もワーストの結果になりました。さらに「一時期実施したが現在は取りやめた」と回答した企業の割合は32.4%で、こちらも全業界のなかで最も多い数値になりました。

企業の声としては「建設業は経理や事務でも現場や営業と細かくすり合わせなければならない業務が多く、生産性が低下してしまった」という声も上がっています。 今も昔も建設業界は現場、現実、現実の「三現主義」が主体の業界です。図面は紙、打ち合わせは対面、品質管理や安全管理は現場でないと不可能。このような環境が、業務の属人化やアナログ作業からの脱却が難しく、バックオフィスを含めたテレワークの運用を難しくしている大きな理由といえるでしょう。

テレワーク導入を実現するには?

前述のとおり、建設業界全体ではテレワークの導入が難航している傾向がありますが、適切に導入・運用し、業務効率化や生産性向上に成功している企業もあります。そのポイントの1つが業務の細分化とクラウドツールの導入です。 すべてのスタッフの業務をテレワークにすることは難しいですが、業務の一部に絞ることで実現可能な業務を見つけやすくなります。

■建設業界でテレワークに対応可能な業務

・支店業務(パソコン作業が主のもの)
・現場事務作業
・CADによる製図作業
・図面チェック
・資料作成

建設業界でのテレワークの事例

最後にテレワークの導入に成功した企業の具体的な施策とその効果を紹介します。自社に取り入れられるものがあるか、確認してみましょう。

事例1:現場事務所をサテライトオフィス化

現場事務所を本社・本拠地から離れた「サテライトオフィス化」。直行直帰できる環境を構築し、移動時間とコストを削減しました。さらにウェアラブル端末を導入し、建築現場と本社の遠隔でも情報共有、指導しやすい体制も整えました。営業などに使う車両の任意保険料を70%も削減できたほか、長年取り組みを続けたことで、9年で売上が2倍に増加しました。

事例2:設計業務の在宅化

新型コロナウイルス感染症対策として、CADによる設計業務を在宅で行えるように環境を整備。オンライン会議の採用、データのクラウド化、製図用の高性能PCの導入などを行っています。業務フロー・バックアップ体制の見直しと強化、移動時間の削減などの効果が上がっています。

事例3:働き方改革の一環としてテレワークを導入

デスクトップ型からノート型のPCに移行し、各ソフトのリモートアクセスライセンスを取得。さらに積算業務を社内ネットワークから外部ネット接続方式に変更し、ファイルの共有は外部クラウドサービスに統一することで、テレワークの導入に成功した企業もあります。

テレワークで一歩先の働き方を実現しよう

テレワークをめぐる建設業界の動向と、導入のポイントについて解説しました。事例でも紹介したように、テレワークを適切に導入して運用することができれば、様々なコスト削減や生産性の向上が実現し、会社の利益向上につながります。 富士通四国インフォテックが開発・販売する建築設備3次元CAD「CADEWA Smart」もWEBライセンス認証方式を採用しています。インストールはフリーのため利用者全員のPCにインストールしておき、ネットワーク環境がある場所ならどこからでも、必要に応じてライセンスの貸し借り運用が可能です。同業他社の一歩先を行くためにもまず部門間など、できるところからテレワークの導入を検討してみてはいかがでしょうか。