建設業界で活用が進むドローン。導入のメリットや注意点は?

2021年の東京オリンピックの開会式でも注目を集めた無線操縦の無線機「ドローン」は、空撮はもちろん、農薬散布や資材などの運搬といった産業用としても活用シーンが増え続けています。建設業界もドローンと相性が良い産業と考えられており、国や各団体、企業がプラットフォームの構築や活用方法、システム開発などを行っています。

今回は実用化されつつあり、今後、建設業界に大きな好影響が期待できるドローンについて解説します。

建設業界におけるドローンの活用方法

ドローンの代表的な機能といえば、搭載したカメラによる「画像・映像」の撮影です。建設では「施工管理」、「測量」、「点検・メンテナンス」といった幅広い領域で空撮写真などが必要となるケースがあります。従来、人もしくはラジコンヘリコプターで撮影していましたが、ドローンはより低コストで操縦も簡単なため導入が進んでいるのです。

ドローンの活用例1:施工管理

河川の浚渫(しゅんせつ)工事やダム、橋梁といった大規模な工事の進捗状況をドローンで撮影した画像などをもとに管理する事例が増えています。さらに大手ゼネコンではドローンによる建設現場のパトロールを実施することで、品質管理や安全管理の状況確認を行っています。そのほか、打ち合わせや検証、工事全体の定点観測記録といった幅広い目的においてドローンの活躍が期待されています。

ドローンの活用例2:測量

ドローンが空撮した写真を解析すれば、従来よりも短期間かつ低コストで地形を解析することが可能です。実際に大手ゼネコンが手がけたダム建設工事では、ドローンが空撮した画像データから3Dモデルの盛り土を自動生成。それをもとに土量計算を行った事例もあります。

ドローンの活用例3:点検・メンテナンス

現在、ビルの老朽化の確認やインフラ設備の点検・メンテナンスは、目視や打診など人の手によるチェックが中心に行われていますが、2021年に大手ゼネコンがドローンで赤外線撮影した画像を使って、外壁タイルの浮きを自動判定するシステムを開発・実用化をしました。さらに建物のCADデータとドローンの赤外線画像を繋ぐことで、修復すべきタイルを簡単に特定できます。 このように建物を傷つけず、足場などを設置する必要がない「非接触・非破壊検査」において、今後ドローンは必要不可欠となることが予想されます。

設現場でドローンを導入するメリット

建築業界の幅広い領域や工程でドローンが普及すれば、低コスト化や業務の効率化、従来は人が行っていた危険な作業を削減できることなど、多くのメリットが得られます。さらに収集したデータをもとに、日々変わる工事の進捗状況に対して適切な措置を取ることができるので、納期の短縮やトラブルの防止、最適なコスト管理にもつながります。

ドローン導入にあたっての注意点

ドローン活用の課題としては、操作スキル不足やヒューマンエラー、気象要因、故障などによる「ドローンの事故」のほか、飛行中の騒音・建物の住人のプライバシー保護といった「建設現場ならではのトラブル」が存在します。ドローンを適切に導入するためには、このような課題を事前に把握したうえで対策しておく必要があるでしょう。

建設業界のドローンの普及に備えよう

建設業界におけるドローンの活用方法やメリットについて解説しました。2021年現在、ドローンの法整備などはまだ不十分な点は少なくありません。ただ、大手ゼネコンをはじめ民間でも活用事例が着々と増加しています。ドローンについて理解を深め、自社の事業や業務改善につながるか検討してみる価値は十分にあるのではないでしょうか。