建設業のAI導入により人の仕事はなくなる?活用事例とあわせて紹介

2010年代にディープラーニング技術の発展とともに、大きな注目を集めるようになったのが「AI(人工知能)」の産業利用です。AIによるあらゆる産業に対する自動化、効率化、イノベーションが期待される一方、現在、人が行っている仕事がAIに奪われるのではないかとメディアなどで取り上げられる機会も増えました。 そこで今回はAIによる建設業界の変化と活用方法についてまとめました。遠い未来の話だけではなく、既に現場で使われている技術についてもご紹介します。

建設業界のAI導入は人の仕事を奪うのか?

基本的にAIは学習、認識、会話、予測、行動の以下の5つの機能があるとされ、それぞれの特徴は以下になります。

1.学習

24時間365日、人間が示した情報を収集して学習できます。例えば、人では不可能な量の過去の工事情報を学習することで最適なプランの作成につながります。

2.認識

学習した内容と現在の状態を照らし合わせて認識することができます。保守点検などの見落とし防止や、人が目視できない内部構造の異常の発見につながるでしょう。

3.会話

人と会話することができ、課題解決の提案や案内、説明などをロボットやタブレット端末などを通じて行えます。

4.予測

学習した膨大な量の情報を現在の状況に照らし合わせるのが「状況」であり、さらにその先の結果を示す「予測」もAIは行えます。過去のデータから数十万、数百万単位のケースを計算して予測を立てるため、人では不可能なレベルの工事事故防止につながる危険予測などが可能です。

5.行動

AIはデータを示すだけでなく、それをもとに実際に行動することも可能です。実際、建設現場では既に自分で判断して作業する建設機械が導入されたケースもあります。

このように様々な革新的な作業が行えるようになるでしょう。一部はすでに実用化されており、単純作業の効率化や人件費の削減に成功している事例もあります。AIの導入が進むことで、3K(汚い・きつい・危険)と言われる仕事をはじめとする、重労働などの緩和につながることが予想されます。

その一方、測量といった従来は複数人が行っていた作業をロボットが行えるようになった場合、作業員の削減などが図られ、仕事がなくなってしまうケースも考えられます。現時点ではどの業務や仕事が奪われてしまうのかは明確にはなっていないものの、単純作業などは「代替されるリスクが高いのではないか」と考える人は少なくありません。

建設業でのAI活用方法

AI技術を導入することで建設業界の仕事はどのように変わるのでしょうか。建設現場や施工管理に関わる作業に対するイノベーションの一例は以下のとおりです。

■AI×建設業界の新しい形の仕事

・AI搭載の自動制御の重機
・BIMなどの設計・施工・運用フローの短期化、ミス軽減
・過去の情報を集約し、最適なプランを設計などに反映
・情報管理の一元化
・ドローンによる測量

建設業でのAI活用事例

実際に大手ゼネコンなどが開発を進めているAI活用システムの事例を紹介します。

大成建設が開発しているのが、GPSや各種センサーで位置確認、動作制御を行う「無人化施工システム」です。同システムでは熟練作業員の動きをAIが取得し、さらにシミュレーターを活用してAIが学習することで、効率的かつ迅速な工事を自律走行の建設機械が行えるようになります。

清水建設は、トンネルのシールド掘進工事に必要なシールド機の計画値やセグメントの配置計画の算出をAIが行うシミュレーションプログラムを開発しています。状況によって変わる計画修正案を迅速に可視化できるので、現場の負担軽減や工期の短縮につなげられるとしています。

AIの活用で建設業界は更なる発展も

産業革命では多くの人の仕事が機械に奪われた一方、機械を扱う仕事の人材不足も同時に解消されました。AIが本格的に導入された際も同じ様な状況になる可能性もありますが、最終的な品質チェックなど、人が確認する仕事は残るとされています。 AIの活用により建設業界が発展することで、建設工事期間の短縮、コスト削減など更なる効率化・発展が期待できるのではないでしょうか。