東京都が発表したデジタルツイン実現プロジェクトのWebサイトをオープン。概要と取り組みを解説

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2021年7月29日、東京都は現実空間の様々な要素をサイバー空間で再現し、検証などに役立てる「デジタルツイン」のβ版を公開しました。2021年度中には、この「デジタルツイン実現プロジェクト」に関連した「リアルタイムの人流の可視化」や「3D化した施設による業務改善効果検証」などが実施予定とされています。 今回は3次元モデルを活用した新しいワークフロー「BIM」とも関連深い、東京都の取り組みについてまとめました。

デジタルツイン実現プロジェクトとは?

デジタルツインとは、現実世界の施設などに設置したセンサーをもとに収集したデータをサイバー空間に再現することです。従来の仮想空間とは異なり、リアルタイムの情報もサイバー空間に反映できることから、鏡合わせのような「デジタルツイン(双子)」と称されています。現実と連動したリアルタイムデータを取得し、そのデータを3D空間で分析・シミュレーションを実施。現実にその結果をフィードバックすることで、政策、製造、建築など様々な分野で活用できるとされているのです。具体的には、以下のようなメリットが得られると考えられています。

サービス・製品の品質向上

低コスト、低労力で現実さながらの空間で検証が何度も行えるため、提供するサービスや製品の品質が向上します。

リスク低減

開発時からリリース後まで何度も検証を重ねた後に実施できるため、新しいサービスなどが失敗するリスクを低減させることができます。

期間短縮

仮想空間であれば素早く検証、管理ができるうえ、修正なども都度行えるため工期や製造のリードタイムの短縮が図れます。

このようなメリットを活かすことができれば、国や自治体が行う様々な政策にも好影響を得られるでしょう。東京都は、少子高齢化や人口減少、自然災害などに備えるため、2030年までに全国に先だってデジタルツインを産学官一体で確立し、様々な課題解決と都民のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を目指すと発表しています。

社会実装に向けた取り組み

東京都はデジタルツイン実現の取り組みとして、2021年度中に3つの実証を行うとしています。その概要を確認してみましょう。

地下空間も含めたリアルタイム人流可視化

地上・地下のリアルタイム人流予測データの活用することで、withコロナの社会に求められる混雑回避、避難経路案内の視覚化といった災害対策などの有用性を検証するとしています。検証をもとに、混雑を避けた経路や災害時の安全な経路案内につなげることを目的としています。

地下埋設物の3D化による業務改善効果検証

上下水道、電力、ガスなどの地下埋設物の高精度3Dモデルを作成して、埋設物照会などの関連業務の高度化を試む計画となっています。高度化が実現することで、地下工事の設備事故防止や工事が与える地上への影響が把握を図ります。

スマートフォンを活用した3Dマップ更新検証

位置や色を持つ点群を集合して3次元データで、従来の建物モデルでは再現が難しかった看板、駐車車両、細かな段差などの都市要素を作成。より精密な都市モデルの作成と、スマートフォンを活用した迅速な更新を試行します。

BIMでデジタルツインの実現を

東京都の大規模な取り組みで注目されている「デジタルツイン」ですが、2020年には大手ゼネコンがBIMによる企画・設計、施工、維持管理の各フェーズのデジタルツインの実現に成功しています。建物を3次元モデルに情報をまとめて管理できるBIMは、デジタルツインにとって非常に重要な役割を担います。今後も官民における3Dモデルの活用とデジタルツイン実現の取り組みに注目です。