建設業のIoTとは?導入のメリットと事例を紹介

2021年9月にDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進の拠点となるデジタル庁が発足し、行政・民間を問わない幅広い領域でIoTの活用に注目が集まっています。 建設業もIoTを導入することで、業務改善や生産性、安全性の向上といった多くの課題解決につながると考えられています。 今回は建設業とIoTの関わりについてまとめました。これから身近な存在になる可能性もあるので、ぜひチェックしてみてください。

建設業界のIoTとは

IoT(Internet of Things)は「モノのインターネット」という意味です。IoTの捉え方も多様化していますが、本来はインターネットを介してモノを結ぶことでこれまで自動でできなかった「遠隔操作」や「確認・監視」、「データのやりとり」を可能にすることを指しています。 近年は各産業でIoTを活用した製品開発や、業務フロー改善が模索されており、自動車業界では「自動運転機能」、小売は「セルフレジ」、会計であれば「経理システムのオンライン化」など、IoTを活用したと取り組みが見られます。

建設業界においては、設計・施工・保守の一貫したプロセスの効率化からドローンを使った非破壊検査の実施など、各作業の改善まで幅広い領域での活用が期待されています。特に設計段階で情報をオブジェクトにまとめる「BIM」のように、これまで業者や工程でバラバラだったデータを集約して管理できれば、様々な用途で利用できると期待されているのです。

IoTを導入するメリット

建設業界でIoTが普及するメリットは数多くあります。その代表的なものをピックアップしたので確認してみましょう。

・現場や機械のトラブルを予知して管理できる「予知保全」の実現
・危険な作業をドローンやロボットで行うことによる「安全性」の確保
・資材の在庫管理や書類作成といった実務・事務作業の効率化
・原価管理、品質管理の負担軽減
・業者間の情報共有の円滑化

このように多くの企業にとって、IoTの導入は利益拡大などにもつながるメリットがあります。特に各作業の効率化やロボットによる自動化は、人材不足が深刻な課題となっている建設業界にとっては重要なポイントといえるでしょう。

IoT導入の活用事例

IoTは既に大手デベロッパーを中心に多くの企業で活用されています。その一例を紹介します。

鹿島建設の「鹿島スマートBM」

大手デベロッパーの鹿島建設では、2019年に日本マクロソフト社などと連携し、IoTを活用した建物管理プラットフォーム「鹿島スマートBM」を開発してサービスを開始しました。 鹿島スマートBMは、IoTを活用して空調や照明の稼働状況や建物内の温度といった様々なデータを蓄積、AIが分析し、各設備の最適な設定値や機器の異常や故障の早期把握などの実現を図れます。さらにビッグデータの将来的な活用や省エネ運転によるコスト削減といった「提供メリット」も提示されています。

大成建設の施設運用・保守事業

大成建設も日本マイクロソフト社と協業し、AIやIoTを活用した施設運用・保守事業を展開すると2019年10月に発表しました。同年7月にAI・IoTビジネス推進部を立ち上げ、長期スパンでAI・IoTを活用した不動産価値の維持や利用者の満足度の最大化、保守業務の効率化を目指すものとしています。具体的には、地震が発生した直後に建物への影響や、健全性を判断できるシステムの開発のほか、「CAFM」と「BIM」を統合した次世代型の施設統合管理システムの実用化も既に行われています。

工事現場のトラッキングソリューション

オーストラリアのスタートアップ企業「Ynomia」が提供するセンサー技術を用いたトラッキングソリューションは、資材や作業員、工具の場所を追跡(トラッキング)できるため、効率的な現場作業の実現に大きな力を発揮しています。すでに欧米各国のショッピングセンターなどの工事で採用されていることから、特に大規模な工事においては活用できると考えられます。

建設業のIoTをめぐる動向を注視しよう

建設業とIoTの動向についてまとめました。各産業でDX推進が注力されるなか、建設業も官民で様々な取り組みが行われています。建設業でも将来的には、多くの企業がデジタル化に対応しなければならなくなる可能性があります。定期的にIoT技術に関する各社の動向をチェックしておくことをおすすめします。