日々進化する建設業界のIoT。実用化されつつある最新のIoT技術を紹介

DX(デジタルトランスフォーメーション)やテレワークなどの推進によって、企画・設計、施工、保守管理などの建築ライフサイクル全体でIoT技術やデジタル技術が導入されています。今回はそのなかでも特に注目すべき3つの先進事例について紹介します。IoTの活用は今後もますます加速すると考えられているので、ぜひチェックしてみてください。

タワークレーンの遠隔操作

大手ゼネコンと重機メーカー、レンタル事業の4社が共同でIoT技術を活用したタワークレーンの遠隔操作システムを開発。国内で初めて、タワークレーン業務のうち日中の全作業の遠隔自動化を実現しました。

オペレーターは専用のコックピットタイプの操縦席に着席し、ジブトップカメラモニター、OPなどのモニター、集計機器のタッチモニターなどを確認しながらタワークレーンを操縦します。簡易版のコックピットタイプの操縦席も同様の構成となっています。従来のタワークレーンによる楊重作業には、技術者の高齢化によって後継者不足となり安全性や熟練技術を持つオペレーターの減少や悪天候時の安全性の確保などの課題がありました。

日中のタワークレーンの作業を完全遠隔化できれば、運転席まで約30分かけてはしごを登る垂直運動がなくなるため、オペレーターの肉体的な負担の軽減や稼働までの時間の短縮につながります。その結果、後継者不足などの解決も図れるとして業界での注目が高まっているのです。

BIMを用いたロボットによる資材配送

建設現場において資材の運搬・配送は欠かせない作業の1つであり、運搬業務の効率化や負担軽減は建設業界全体の課題である3K(きつい・きたない・危険)のイメージの払拭や生産性向上に大きく影響すると考えられています。 大手ゼネコンと重機レンタル企業は、資材配送する自律走行ロボットの経路設定をBIMのみで行えるシステムを開発しました。BIMとはBuilding Information Modelingの略語で、3次元モデルに様々な情報を集約して建築ライフサイクル全体で活用する新しいワークフローのことです。

従来のロボットによる資材の配送は、都度、建物内などの地図を読み込ませる必要がありましたが、BIMのみで経路設定が可能になることで、事前の設定作業の大幅な簡略化を実現しました。さらにIoT機器を通じて、エレベーターを目的の階に呼び寄せることも可能となり、360度カメラによって、工事の進捗確認も容易になりました。

ドローン撮影で建設現場を3D空間に再現

IoT技術による監視や遠隔操作は、ドローンの数多くの機能と深いつながりがあります。大手建設会社と通信会社が共同で行った実証実験では、ドローンで自動撮影した画像を3Dデータ化して現場を再現し、工事の進捗管理の効率化を図りました。 この実験で用いたドローンには6個のカメラが搭載されています。ドローン点検ソフトを使用して3Dデータ化した任意の場所を選択すれば、詳細な工事写真の閲覧が可能になります。同技術を用いることで現場の進捗管理のアナログ作業の省略を実現しています。

最新技術の活用事例をチェックしましょう

日々進化する建設業界のIoT技術の導入事例や実証実験の内容について紹介しました。後継者不足や安全性など、業界全体の課題を解決するためにIoT技術の重要性は日々高まっています。会社の規模や専門領域などを問わず、様々な企業で活用が求められるケースを想定して情報収集に注力してみてはいかがでしょうか。