いま注目されているカーボンニュートラルとは?建設業界の取り組みと今後の展望を解説

2020年10月に発表された「2050年カーボンニュートラル宣言」以降、幅広い産業で脱炭素社会を目指す動きが活発化しています。建設業界でも、業界団体が二酸化炭素の排出量をゼロにする目標を掲げるなど、多くの現場や企業に変革がもたらされる可能性があります。

今回はカーボンニュートラルの基礎知識と、2022年1月段階の建設・建築業界の動向についてまとめました。

カーボンニュートラルとは

カーボンニュートラルとは、地球温暖化防止のために温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる取り組みのことを指します。温室効果ガスは、現在の社会生活を支えるうえで不可欠な電力を創出する際の副産物であり、排出をゼロにすることは困難です。そのため、樹木や海藻などが温室効果ガスを吸収する量と均衡になる値(排出量を実質ゼロ)を削減目標とする内容となります。つまり、カーボンニュートラルを達成するためには、以下の2つの取り組みを強化する必要があります。

・温室効果ガスの排出量の削減
・吸収作用の保全と強化

カーボンニュートラルは、2015年にパリ協定で採択された地球温暖化防止のための世界共通の長期目標が基本となって生まれ、120以上の国と地域が日本と同じように「2050年カーボンニュートラル」という目的を掲げています。

日本での取り組み

一部の国を除き、世界の大半を占める国々がカーボンニュートラルを推進するなか、日本は経済成長と二酸化炭素の排出を両立するための産業政策「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略(以下、グリーン成長戦略)」を打ち出しています。

グリーン成長戦略によって、民間企業の大胆なイノベーションを支援するために以下のような政策ツールが用意されるとしています。

1.グリーンイノベーション基金の創設
2.脱炭素化効果の高い製品に対する投資優遇措置
3.ファンドなど民間投資をうながす環境の整備
4.新技術の普及促進のための規制緩和・強化
5.国際連携

また、これらの支援の対象としてグリーン成長戦略では、温室効果ガスの排出量の削減が不可欠と考えられる14種類の重要分野を設定して実行計画を策定しており、住宅・建築物産業は12番目の分野として挙げられています。

建設・建築業界での取り組み

このような世界と日本政府の政策を受けて、既に建設業界でもカーボンニュートラルの実現に向けた動きが始まっています。全国規模の建設業者団体である「一般社団法人日本建設業連合会」は、施工と設計の各段階において二酸化炭素の排出を抑制するための取り組みを始めています。

また、施工段階における二酸化炭素の排出抑制目標も段階的に掲げています。同連合会のHPによると2030~2040年に2013年比で40%まで排出量を削減し、2050年までに実質ゼロを目指すとしています。

具体的な施策としては、「省燃費運転の励行」、「燃費効率の優れた重機の採用」などのほか、建物企画・設計段階から省CO2建物を推進するなど、発注者を巻き込んだ働きかけの強化などを行うとしています。

出典:一般社団法人日本建設業連合会「脱炭素社会」

時代の流れに適応した施工・設計が求められる

カーボンニュートラルの基礎知識と建設業界の指針、取り組みについて解説しました。日建連によると、日本の二酸化炭素の排出量の1/3は住宅・建築物に関わるものとされています。グリーン成長戦略の重要分野も加えられていることから、今後はカーボンニュートラルを考慮した施工や設計が求められるケースが増えると予想できます。建設業界では今後ますます、このような時代の流れに沿った事業展開が必要になっていくのではないでしょうか。

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