国土交通省が2021年の新設住宅着工戸数を公表。2022年の見通しは?

国土交通省が毎年発表する「新設住宅着工戸数」は建設業界のみならず、家電や家具など幅広い産業の景気動向の先行指標として注目されています。2022年1月31日、国土交通省は2021年の建築着工統計調査を公表し、そのなかに新設住宅着工戸数も明らかになっています。

今回は、2021年の新設住宅着工戸数の概要と昨年との比較、2022年の見通しについてまとめて解説します。

国土交通省が2021年の新設住宅着工戸数を発表

国土交通省が発表した「新設住宅着工戸数」は、毎月下旬に発表する「建築動態統計調査」でも公表されています。同調査のなかには、新設住宅着工戸数のほかにも工事別や新設住宅の資金、建築工法と建て方、住宅の種類といったさまざまな項目の情報が掲載されています。

そのなかでも特に新設住宅着工戸数が注目されている理由としては、新居の建設は建築業者はもちろん、家具家電の買い替えなど景気に与える影響の範囲が大きい「住宅投資」ということが挙げられます。

このような毎月の建築動態統計調査をまとめて、毎年1月末に発表されるのが「建築着工統計調査」です。同調査では前年比などの比較もされているので2021年の動向を体系的に把握できるだけでなく、今後の市場の動向を予測するのにも役立つ資料として参考にされることが多いです。

2020年と比べて約5%回復

2021年の新設住宅着工戸数についてまとめてみましょう。まず、全国の新設住宅着工戸数は85万6484戸で前年から5.0%増加しました。新設住宅着工戸数が増加するのは2016年以来5年ぶりとなります。新設された建物の種類と地域によって細かな増減があるので、それぞれの内訳も確認しましょう。

■2021年の種別新設住宅着工戸数

戸数 前年比 傾向
持ち家 28万5575戸 9.4%増 1年ぶりの増加
貸家 32万1376戸 4.8%増 4年ぶりの増加
分譲住宅 24万3944戸 1.5%増 1年ぶりの増加
マンション(分譲) 10万1292戸 6.1%減 2年連続減少
一戸建て住宅(分譲) 14万1094戸 7.9%増 1年ぶりの増加

分譲住宅のうち、マンション以外についてはいずれも増加傾向にあります。 特に持ち家の増加率は非常に大きく、要因としては新型コロナウイルス感染症で景気の見通しが悪かった2020年に新居を買い控えた反動が影響していると考えられます。これらの数値と動向から2022年の見通しを予測するのは、建設業界で働くすべての人にとって大切なことといえるでしょう。

2022年の見通しは?

2022年1月に一般財団法人建設経済研究所が発表した「建設経済モデルによる建設投資の見通し」によると、建設投資全体は2021年度と同水準になると予想されています。同資料では、建設投資を「政府建設投資」と新設住宅着工戸数が含まれる「民間住宅投資」、「民間非住宅建設投資」にそれぞれ分類しています。

このうち政府建設投資は前年並み、民間非住宅建設投資は緩やかに回復するとされています。民間住宅投資は、コロナ禍からの住宅需要の回復がひと段落すると予測されているため、持ち家を中心とした民間住宅投資の投資額が減少すると見込まれています。

出典:一般財団法人建設経済研究所「建設経済モデルによる建設投資の見通し」

指標を確認して自分なりに景気動向を予測してみましょう

市場動向は営業利益の増減や仕事の量に直結するため、管理職や現場のオペレーターなど立場を問わず、情報を収集して自分なりに予測してみることをおすすめします。予測どおりにならないとしても、予測を立てることと新設住宅着工戸数などの指標の見方などを身に付けるスキルなどを見つけられるでしょう。新設住宅着工戸数以外にもさまざまな指標があるのでぜひ確認してみてください。

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