建設業界におけるVRの活用方法とは?事例とともに解説

「VR(バーチャルリアリティー)」は、仮想空間内で自由にものをつくることができ、メタバースなど近年注目が集まりつつあるデジタル技術の一つです。少し前まではコンシューマ向けサービスで提供されることが多かったですが、近年は業種形態を問わず、さまざまなビジネスシーンで活用されつつあります。

今回は、建設業界でも導入が増えているVRの基礎知識と、建設プロセスにもたらすメリットを紹介します。

VRとは?

VR(バーチャルリアリティー)とは、日本語では仮想現実と訳されることが多いです。実体験に近い体験を仮想現実で行えるのが最大の特徴で、一般的にVRゴーグルなどの端末を使用することで360度、立体的に仮想現実を体験することが可能となっています。以前はゲームの世界といわれていましたが近年では医療や製造、店舗開発など、さまざまな分野で活用されています。

また、実在する風景に文字や映像などを映し出すAR(拡張現実)とは全く違う技術となりVRはゼロから仮想空間をつくり上げることができます。

建設業界でVRを活用するメリット

建設業界はVRが導入されている代表的な産業の一つとなります。 主な利用シーンとしては「社員教育」、「安全管理」、「BIMツール」の3つが挙げられます。それぞれの詳細を紹介します。

社員教育とVR

近年、建設業界では「VR研修」を実施する企業が増えています。 従来の研修では、実際に現場で実習する必要があったほか、複数の拠点から研修対象者を集めて講義を受けさせる必要がありました。

しかしVRを使えば、現場さながらの環境を構築して研修が行えます。実際に仮想空間のなかで作業を行えるケースも珍しくありません。場所を選ばずに開催できるので、時間やコストを抑えられるとして注目が集まっているのです。

現場のイメージ共有、事故防止

VRを活用することで、現場の事故防止や安全管理の強化を図れます。作業員や職人への注意喚起や安全意識の共有は、口頭や書類が一般的ですが、説明の仕方や作業員の経験などによって理解度に差異が生まれやすい傾向がありました。VRでは現場を再現した立体的な仮想空間で、模擬作業も実施できるので、安全意識をより高いレベルで共有しやすくなります。

BIM(ビルディング インフォメーション モデリング)との連携

BIMは「Building Information Modeling」の略語で、3次元で再現した建物にコストや資材名、管理情報などを一元化して企画設計・施工・保守管理まで、建物のライフサイクル全体を効率化する新しいプロセスのことです。

現在のBIMにおいて、3次元で再現した建物をパソコンのモニターで表示するのが一般的ですが、VRと連携すれば「原寸大」のモデルを作成して工事のシミュレーションも可能になります。

より現実に近い現場や建設物を体験できるため、設計ミスの防止、顧客とのイメージ共有、業者との円滑な作業の連携など、BIMの特長をより強化できると考えられます。

建設業界のVR活用事例

建設業界では大手企業を中心に、多様なプロセスでVRが活用されています。その一例を紹介します。

BIMを活用した施工管理者向けの研修

大手建設会社大林組では、VRとBIMを連携した独自の教育システム「VRiel(ヴリエル)」を活用しています。BIMデータの建設物をVRで再現し、その構造物で研修を実施するプログラムです。

より現実に近い研修を実施しやすいほか、BIMの普及の大きな課題となっている「BIMツールを使用できる人材」の効率的な育成につながるとして注目されています。

VRを活用した遠隔施工システム

大手ゼネコンの大成建設では、VRで再現した工事現場にオペレーターが入り込み、遠隔地にある重機を操作するシステムが導入されています。一箇所で複数の現場の工事を再現できるので、より効率的に施工しやすくなります。また、危険箇所の工事にも役立つと期待されています。

VRについて理解を深めよう

VRの基本と建設業界における活用事例を解説しました。今後、VRは建設業界にとって欠かせない技術になる可能性もあります。コンシューマ向けのVR専用ゲームなど、広がりつつある技術なので、VRに触れる機会があればぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

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