5Gの登場で建設業界はどう変わる?建設DXの事例もあわせて解説

近年、建設業界においてデジタル化やDXを図る企業が増えている大きな理由の1つが、さまざまなデバイスやITツールの発展です。そのなかでも特に注目されているのが、次世代の通信技術「5G」です。 今回は、世界中で注目されてる5Gの基礎知識と建設業界への影響について解説します。

5Gとは?

5G(5th Generation)は「第5世代移動通信システム」を指す言葉です。携帯電話などに用いられているモバイル通信規格で、従来の4GやLTEよりも「高速で大容量」、「遅延が少ない」、「基地局につなげられる端末数の増加」といった性能の向上が図られています。

5Gが建設業にもたらすメリット

5Gは携帯電話の一般ユーザーの利便性の向上だけでなく、幅広い業界のデジタル化やDXの促進においても影響が大きく、その普及が期待されています。 建設業におけるメリットを以下で紹介します。

自動遠隔操縦の促進

精密な操作が求められる工事において、オペレーターの操作とロボットの動作の遅延は大きな事故にも繋がりかねません。5Gは4Gよりも大容量のデータでも遅延を少なく伝達可能なため、より幅広い工事で自動遠隔操縦ロボットを導入しやすくなります。

ドローンによる測量解析の効率化

近年、測量においてドローンでの空撮を導入するケースが増えています。ドローンで測量することで人件費や工数削減が図れますが、4Gではリアルタイムの測量が難しく、解析や図面化するには一度、ドローンを回収しなければなりませんでした。 大容量のデータのやりとりが可能になる5Gを活用すれば、3次元データのリアルタイム測量が可能なほか、3Dの図面化もより高速に行えるようになります。また、測量だけでなく赤外線カメラなどを搭載して建物の状態をチェックする「非破壊検査」なども、より円滑に行えるようになります。

BIMの促進

3次元モデルに情報を集約して企画・設計、施工、保守・管理のすべての工程の業務効率化などを図るBIM(ビルディング インフォメーション モデリング)の促進においても、5Gは重要な技術です。 3次元モデルは従来の2次元の図面よりも大容量のデータになるため、現場での確認が難しいというデメリットがあります。5Gを利用すればタブレット端末で3次元モデルをいつでもどこでもチェックしやすくなります。 また、スマートフォンや小型のVR機器で3次元モデルをよりリアルに体験しやすい環境づくりにもつながります。施主への提案から各業者の意思伝達の効率化など、幅広いシーンでBIMの活躍の幅が広がります。

建設業での5G活用事例

5Gを活用した施工は大手ゼネコンや通信会社によってすでにいくつか実施されています。その代表的な2つの例を紹介します。

無人機によるダム建設工事の実証実験

KDDI、大林組、NECの3社は、三重県にある建設中の川上ダムにおいて無人機を活用した作業の実証実験を行っています。無人機の油圧ショベル、クローラキャリア、ブルドーザーを使用し、土砂を掘削、運搬、敷きならす工程を現場から500m離れた遠隔操作で行いました。5Gは操縦室と建機に搭載した各種カメラ、操縦するための信号データのやりとりなどに使われており、安全に道路造成工事を進められています。

トンネル工事現場の安全性確保

北海道の建設中のトンネル工事現場では、総務省の委託を受け、Wireless City Planning(WCP)、ソフトバンク、大成建設の3社が共同で安全な環境を確保するための実証実験を行っています。

■実証実験の目的と技術

実証実験の目的 利用した技術
遠隔操作による作業場の危険察知 ガスセンサーを搭載した建設機械の遠隔操作
作業中の安全性確保 有毒・可燃性ガスのリアルタイム検知・通知
安全性、生産性の向上 環境センサーによる現場管理・通知

いずれの技術もリアルタイムの通信や大容量のデータの双方向のやりとりが欠かせません。安全管理の向上においても効果的な施策の土台として、5Gは重要な技術であることが分かります。

5Gはさまざまな変革の基礎になるシステム

5Gと建設業界の関わりについて解説しました。5Gは、デジタル技術を使った業務や工程そのものの課題解決(ソリューション)の基幹となり得るシステムです。工事における幅広い領域に関わる可能性が高いため、各通信会社の基地局の設置状況や建設業界の活用事例などをチェックしておきましょう。

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