建設業界の効率を促進する配筋検査システムとは?ゼネコンの取り組みとあわせて解説

鉄筋コンクリート造の建設において、鉄筋の配置を確認する「配筋検査」は非常に重要な工程の1つです。ビル、マンション、ダム、橋梁など幅広い工事で配筋検査は必要なため、建設業界全体でDXやデジタル化においても注目されています。

2022年、その代表的な取り組みである「配筋検査システム」の実証実験が実施され、2023年度から本格運用を目指すことが発表されました。今回はその概要と変革(イノベーション)について解説します。

配筋検査システムとは

配筋とは「鉄筋の配置」を指し、主要な建物構造である鉄筋コンクリート造の建設では「配筋図」を基に、柱や梁、基礎、壁、スラブといったさまざまな箇所の鉄筋の配置と寸法・数量・種別などが正しく配置されているか確認する必要があります。

そのようなコンクリートを打ち込む前に行う「配筋検査」は、設計管理者などがメジャーテープやノギスなどを使って目視で実施するのが一般的です。ただ、現場だけでも複数人の人的リソースが必要で、検査帳票の入力や写真を整理するといった事務作業も大きな負担となっていました。

これらの課題を解決するために、国内の大手ゼネコン21社が共同開発に取り組んでいるのが専用のカメラを使った画像・映像を活用し、鉄筋の立体配置を認識する「配筋検査システム」です。

ゼネコンの取り組み

配筋検査システムの開発は、2020年9月にトヨタ自動車などが出資するプライムライフテクノロジーズ株式会社と国内のゼネコン21社が共同研究開発契約を結んでスタートした大型のプロジェクトになります。

同システムは専用カメラで検査部位を撮影し、鉄筋の本数や配置、間隔、鉄筋径などを認識して検査する仕組みとなっています。2022年に実証実験が行われる予定となっており、システムを使った検査のフローも公開されています。

■配筋検査システムの実証実験の手順

1.会社登録
2.利用申請、現場登録
3.設計データ、登録・加工
4.配筋検査(自動)
 ・範囲指定
 ・鉄筋検知
 ・照合
5.配筋検査(目視)
6.帳票作成
 ・写真台帳
 ・検査チェックシート

立体配置、断面配置はもちろん、現場写真でのAR表示も可能です。実証実験の実施後、2023年度にプライムライフテクノロジー社が本格的なサービスを提供し、同年度内に21社以外のゼネコンにも対象を広げる計画となっています。

配筋検査システムの普及は建設業界の効率化につながる

人材不足の深刻化が懸念される一方で品質管理が厳格化されるなど、建設業界の発展においてDXや業務のデジタル化は重要な要素となっています。

配筋検査システムを活用することで、「構造設計図から配筋検査のためのデータ登録・作成」、「画像を基にした計測」、「設計データと計測結果の自動照合」、「検査結果のクラウドアップロード」などが可能になります。

研究開発では検査業務時間の60%削減を目指しているため、確立されれば建設業界の大きな効率化や工期の短縮につながるでしょう。

デジタル化・DXの推進の取り組みに注目しましょう

配筋検査システムの取り組み内容と今後の動向、建築業界に及ぼす影響についてまとめました。現在は大手ゼネコンが主導していますが、2023年度以降、他のゼネコンにも提供される予定になっています。

企画・設計から管理運用まで建物ライフサイクル全体の効率化を目指す「BIM」など、建設業界のデジタル化やDXは一部の企業や工程だけでなく、多くの関係事業者を巻き込んだ取り組みが求められていますので、日ごろからデジタル化・DXの動向に注目してはいかがでしょうか。

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