建設業界のBIM定着に向けて。日建連がBIM定着に向けたロードマップを公開

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)は、各工程の効率化だけでなく、建設のバリューチェーン全体のイノベーションにつながるとして、国や業界を挙げて普及拡大が推進されています。

一般社団法人日本建設業連合会(日建連)も、さまざまな企業を巻き込んだBIMの定着を目指して活動しています。今回は2022年6月17日に日建連が公開した「建築BIMの定着に向けたロードマップ」の目的と内容を紹介します。

日建連が建築BIMの定着に向けたロードマップを公開

3次元モデルに全ての情報を集約してさまざまな関係者に共有するBIMは、適切に活用することで企画設計・施工・保守運用といった「建築物のライフサイクル全体」の効率化や省力化、コスト削減などが図れるのが大きなメリットです。

ただ、国内での普及状況はまだ途上であり、2020年2月に国土交通省が発表した「建築分野における検討WG(建築BIM推進会議)の活動状況について」では、各工程・分野の「導入と意識の格差」が定着の課題として挙げられています。

■設計と施工(ゼネコン)のBMIの導入格差

設計分野 施工分野(ゼネコン)
導入実績あり 34%
※うち積極的に活用している企業は19%
71%
※うち積極的に活用している企業は54%
導入実績なし 66%
※導入予定・興味がない企業は33%
29%
※導入予定・興味がない企業は5%

上記の格差だけでなく、施工分野内でもゼネコンに比べてサブコンでの活用実績が少ないなどの差も生じています。

BIMのメリットを最大化するためには、一部の工程を担う企業だけでなく、バリューチェーンに含まれる幅広い事業者が積極的に活用する環境を構築しなければなりません。BIMの導入率の向上を阻む要素はたくさんありますが、そのなかでも「導入・運用プロセスが不明瞭」であることは注視すべき事項だといえるでしょう。

その課題を解決するため、日建連は独自に設立した「BIM部会」の活動を通じ、施工業者向けのBIMモデル活用リーフレットなどを作成して普及拡大を図っていました。「⽇建連の建築BIM|定着に向けたロードマップ」も、その活動の一環として公表されました。

公開されたロードマップの概要とは

「⽇建連の建築BIM|定着に向けたロードマップ」では、日建連がBIM普及のために実施する2030年までの活動計画と目標が記載されています。設計企画部会、施工部会、設備部会、BIM部会のそれぞれに担当を振り分け、「全般・共通部分」、「設計分野」、「設計・施工間」、「施工分野」、「維持管理・運用分野」といった幅広い領域でガイドラインや設計モデル、事例集などを作成することが明記されています。また、発行や周知を行った後も定着を図るために必要に応じて各資料などを改訂することも記載されています。

同ロードマップの将来像は、業務スタイルの「確立」と「定着」の2つの段階が設定されており、それぞれの内容は以下の通りです。

■BIMを中心とした業務スタイルの確立(2021~2025年)

・発注者も含め、BIM活用メリットの理解が深まる
・設計施工一貫方式のメリットの理解が深まる
・設計施工一貫方式案件で設計施工のBIM一貫利用が進展する

■BIMを中⼼とした業務スタイルの定着

・発注者からBIM活⽤要求が⼀般化する
・設計・施⼯分離発注案件でも設計施⼯のBIM連携利⽤が進む
・施⼯と製作の連携が進む

各団体、自治体の取り組みの動向に注目しよう

日建連が公開したBIMに関するロードマップを紹介しました。BIMは人材不足、品質の向上、安全性の確保といったさまざまな利点があります。また、いずれ対応が迫られる可能性もあるので各団体や自治体の取り組みに注視しましょう。

資料請求はこちら