3D CADの歴史。2次元CADの誕生から普及、BIMなどの最新トレンドとは

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建設・建築業界にとって欠かせない存在であるCADですが、その歴史は意外と新しく、民間企業で普及したのは今から20年前とされています。普段、CADを使っている人であっても、CADの歴史を理解している人はそれほど多くはありません。プロフェッショナルを目指すのであれば、いつも使っているツールの進化を把握しておいて損はありません。そこで、建設業界におけるCADの誕生から現在までの歩みをまとめました。

CADが普及する前の製図方法

CADが誕生する以前は、建築のみならず機械設計などのほとんどの分野で製図は「ドラフター」という専用の製図台を利用して行われていました。当然、すべて手作業で各種定規や製図道具が備わったアームを駆使して、平行線、垂直線など描いていたのです。さらに空調衛生設備の設計者は、紙の建築設計図を複写用の半透明な用紙「トレーシングペーパー」を使って模写して、各設備の配置や配線などを描いていました。

CADの誕生と発展

今でこそ、機械設計や建築設計など用途によってCADの種類は細分化されていますが、そのルーツは1963年にアメリカの科学者アイヴァン・サザランドが開発した2次元CADソフト「Sketchpad」が原点です。当時は米軍や航空機設計など、限られた分野でしたが活用されていませんでした。しかし、1980年代になると一般企業でもCADを導入、利用しやすい環境が徐々に整い始めます。

そのような潮流の黎明期である1982年に誕生したのが、機械設計、建築と幅広い分野でシェアを獲得している「AutoCAD」です。さらにその約10年後、フリーの建築汎用CADとして活用されている純国産2次元CAD「JW_CAD」が提供をスタートしました。いずれも毎年アップデートを重ねており、JW_CADは建具や設備などを簡単に作図できる機能や日影図作成機能など、無料ソフトのなかでも特筆すべき機能性を誇り、建築業界の設計ツールとしてトップクラスで普及しているCADソフトとなっています。

1990年代までは自社に独自のシステムを構築できる資本力を持つ主に大企業を中心に、「インハウスCAD」の普及が進みました。2000年代に入るとコンピューターのメモリやCPUなどのスペック向上と、プリンターの進化と低価格化が進み、中堅以下の企業ではパッケージングされたCADの導入が進みます。同時にCADの技術を取得できる教育機関が増えたほか、個人でもCADを学べる環境が整い、急速に普及し現在に至ります。

3次元CADとBIM

最新の技術として扱われることが多い3次元CADですが、実はJW_CADと同時期の1990年代に大手企業で導入が始まっています。ただ、1990~2000年前半にかけて3次元CADは主に大手家電、自動車メーカーを中心に導入されており、建築業界ではほとんど活用されることはありませんでした。

ただ、コンピューター上に部材等の情報を書き込んだ3次元モデルを再現して、より効率的なワークフローを実現する「BIM(ビルディング インフォメーション モデリング)」の世界的な普及を受け、日本でもBIM対応の3次元CADを導入する建設企業が増えています。

2018年に日本建築士事務所協会連合会が発表した「建築士事務所のBIMとIT活用実態にかかわる調査」によると、BIMの普及率は約30%となっており、大手企業が中心であるものの着実に建築業界でも3次元CADの活用が広がっていることがうかがえます。

建築業界では3次元CADの活用が主流に

CADが普及し始めた当初、日本の建築業界はドラフターと似たような感覚で製図できる2次元CADの活用が主流でした。その一方、昨今ではBIMによる作業そのものの短縮、効率化に欠かせない3次元CADの導入も求められています。ハードウェア、ソフトウェアの導入コストや扱える人材の確保など課題は少なくありませんが、いずれもこれまでCADが普及する際にあった障壁と同じです。今後、BIMの汎用的な活用方法が定着し、必要な機器の低価格化、高機能化が進めばさらに3次元CADは日本の建築業界において重要な位置付けになると考えられます。