3D CAD導入に推奨されるパソコンスペックと周辺機器とは

仮想空間で3次元モデルを構築する「3DCAD」は、建築、機械など幅広い分野で導入が増えています。特に建築分野においては3次元モデルに属性情報を付加し、工程の短縮などにつなげる「BIM」の普及が推進されていることから、今後は3DCADを導入する企業も増えていくでしょう。 その際に課題となるのが、3DCADを操作するために必要なパソコンおよび周辺機器のスペックです。導入コストや運用コストにも関わってくるため、今回は3DCADを運用する際に必要なパソコンスペック、IT機器について紹介します。

3DCADを使うにはパソコンのスペックも求められる

3DCADの導入を検討する企業の多くは、Jw_cadなどの2DCAD(2次元CAD)を利用しているケースが多いです。現在、2DCADを運用しているパソコンのすべてが3DCADでは使えないわけではありませんが、一般的に3DCADのデータは2DCADよりも重く、スペックが足りなければ、3DCADの検証作業「アセンブリ」などで3次元モデルを表示する際、形状が崩れたり、時間がかかるといった影響が考えれます。

3DCADの導入の検討段階では、ソフトウェアの比較と並行して各社が推奨するパソコンのスペックと自社のパソコンの性能を比べて、ハードウェアの更新が必要かも考える必要があります。 その際、「グラフィックカード」「CPU」「メモリ」「HDD/SSD」の項目は特に3DCADの運用に関わりが深い項目となります。

グラフィックカード

グラフィックカード(グラフィックボード)は、3D映像を処理するために必要な部品です。グラフィックカードにも様々な種類があります。ただ、3DCADソフトの多くは「OpenGL」というインターフェースを採用しており、これに対応するためにはグラフィックカードも「OpenGL」にしていなければなりません。他のインターフェースを採用しているグラフィックボードを操作してしまうと、モデリングプロセスやレンダリングの処理時間が非常に長くなる場合があります。

CPU

CPUの性能は、3次元モデルの演算処理や描画処理に大きな影響を与えます。CPUの性能が不足すると処理速度が遅くなり、操作が非常に重たくなってしまいます。3次元モデルの編集などでは、CPUの動作の速さを示す「クロック数(クロック周波数)」と並列できる処理数に関わる「コア数」が高いほど作業が快適になります。

メモリ

メモリはCPUが直接アクセスして演算するための「主記憶装置」です。よく作業台の広さに例えられ、メモリの大きいほどより多くのプログラムをパソコン内で同時展開できるようになります。3DCADと同時に解析ソフトウェアといった様々なアプリケーションを使用する場合は、それに適したメモリ容量が求められます。

HDD/SSD

大容量のHDD(ハードディスクドライブ)と、より高速処理が可能なSSD(ソリッドステートドライブ)はパソコンの記憶装置です。3次元モデルのデータなどを長期保存するために利用され、容量が大きいほどより多くのデータを保存することが可能です。

3DCADに推奨されるパソコンのスペック

3DCADに対応するパソコンの選び方の基本は、導入するソフトウェアを基準に考えることが一番です。実際の動作は図面のサイズや並列して展開するソフトウェアの数など環境によって異なりますが、参考として3DCAD「CADEWA Smart V2」の推奨動作環境を紹介します。

■CADEWA Smart V2の動作環境

項目 推奨スペック、バージョン
OS Windows 10 64bit(ARM版Windows10は未対応)/Windows 8.1 64bit
CPU Core i7,Core i9シリーズ以降(CPUコア数4コア以上 / 周波数が高いもの推奨)
メモリ 16GB以上
ハードディスク空き容量 10G以上(システムドライブにM.2 SSD(NVMe接続)を推奨
ディスプレイ/解像度 Full HD(1920×1080)以上
ディスプレイ/色数 フルカラー対応
ディスプレイ/タッチパネル 任意
グラフィック/OpenGLの対応バージョン OpenGL 4.0以上
グラフィック/DirectXの対応バージョン DirectX 11以上
グラフィック/性能 OpenGL専用対応カードを推奨(例:NVIDIA Quadroシリーズ)

その他、作業におすすめの周辺機器

さらに作業者の負担軽減や作業効率化を図るのであれば、ショートカットボタンや操作性、安定感などが優れたCADマウスなどの導入がおすすめです。3DCADが問題なく運用できる環境の構築後には、CADマウスのような周辺機器の充実も図ってみてはいかがでしょうか。

3DCADはパソコンのスペックにも注意しよう

3DCADとパソコンのスペックの関係性について解説しました。快適な作業環境を構築するには、導入を検討するソフトウェアを基準に自社のパソコンのスペックなどの確認から始めることをおすすめします。分からないことがあれば、ワークステーションの販売店に問い合わせてみても良いでしょう。3DCADの導入を検討には運用できる環境の構築に必要な期間、予算を明確することが不可欠です。